トファシチニブ

特徴
  • JAK(JAK3>JAK1)へのATP結合を阻害することでIL-6/2/7/15/21, IFNαなどのサイトカイン作用を阻害する
  • TNFの細胞内シグナル伝達に関与しないのでTNF-α阻害薬効例でも効果期待できる
  • MTX効果不十分の場合, MTXと併用することでTNF-α阻害薬と同等
  • 効果発現は1~数週と早い
  • csDMARDs・bioDMARDs無効例でも単剤でこれまでのbioに匹敵する
  • 中和抗体による二次無効の心配が低い・経口薬
  • TNF阻害薬と比べてSjögren症候群などの抗核抗体関連結合組織病に理論上使用しやすい
  • 30%が腎排泄、70%が肝代謝
  • 悪性腫瘍や帯状疱疹はMTXと同等
  • 使いやすい:MTX不十分で関節外合併症がない
  • 使いにくい:悪性腫瘍の既往、家族歴に悪性腫瘍多い
禁忌
  • 白血球数4000未満、好中球500未満、リンパ球500未満、Hb8未満は禁忌
  • 日本リウマチ学会では好中球1000未満、β-D-グルカン陽性は投与しないことを推奨
副作用
  • 感染症・悪性腫瘍・血球減少・腎障害・間質性肺炎脂質異常症・腸管穿孔に注意
  • 感染症・悪性腫瘍のスクリーニングは年齢相応に行う→定期検診は必ず受診するように指導する
  • 日本人では帯状疱疹多いとされる→シングリックス打つ
  • 投与開始1週間で軽度腎機能障害がおこるがその後3年は一定だったとされる
相互作用
  • CYP3A4, CYP2C19により代謝
  • 効果増強:マクロライド・アゾール系・カルシウム拮抗薬・アミオダロン・フルコナゾール
  • 効果減弱:抗てんかん薬、リファンピシン、リファブチン
処方例
トファシチニブ 1回5mg 1日2回
  • MTX使用している場合はMTX継続する
  • MTX以外との併用は安全性の研究が不十分なのでBioも含め控える
  • 中等度・高度腎機能障害または肝機能障害では1日1回に減量する
  • 高齢者や低体重の場合も5mg1日1回から開始してもよい
  • 薬価は通常量の場合Bioと変わらない