体軸関節型脊椎関節炎でTNF阻害薬の切り替えは有効か?

EULARの若手医師向けコンテンツemmunetから興味がある論文を選んで読んでみます

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このemmunetってあまり日本では知られてないのかもしれませんがpodcastがあったりJournal Clubあったり便利なんですよね。今日アブストラクトに目を通したのはこちらです。経験は多くないですがTNF阻害薬をスイッチすることたまにありますよね。その時にスイッチに至った理由によって効果に違いが見られるか調べたものです。

 

Effectiveness of switching between TNF inhibitors in patients with axial spondyloarthritis: is the reason to switch relevant?

体軸関節型脊椎関節炎でTNF阻害薬の切り替えは有効か?

背景:axSpAにおいてはじめに使用したTNF阻害薬を中止した理由が2つ目のTNF阻害薬反応性に影響するか
方法ポルトガルのリウマチコホート(Rheumatic Diseases Portuguese Register (ReumaPt))に登録された患者のうち2008年~2018年の間で1つ目のTNF阻害薬を開始したが中止して2つ目が開始されたものが組み入れられた。治療反応はASDAS-CII, ASDAS-MI, ASDAS-LDA, ASDAS-IDで評価された。最初のTNF阻害薬中止の理由はASDAS-CIIに基づき一時無効・二次無効・副作用・その他に分けられた。はじめのTNF阻害薬中止の理由と2つ目への反応はGEEモデルによって解析された。
結果:193人が組み入れられた。ASDAS-CIIではTNF阻害薬中止の理由は2つ目の効果に影響しなかった。しかし、より厳しい基準を用いるといくつか違いが見られた。例えば一次無効よりそれ以外の理由で中止になった方がASDAS-IDを達成する可能性が高かった(二次無効 (OR 7.3 [95%CI 1.9; 27.7]), 副作用(OR 9.1 [2.5; 33.3]), 他の理由 (OR 7.7 [1.6; 37.9]))。
結論:axSpAでは一次無効であった場合よりもそれ以外の理由でTNF阻害薬が中止になった場合の方が、スイッチした際の効果が高かった。