IgG4RDにおけるリツキシマブの長期的効果・安全性

たまには論文を読んでみようと思います。フランスからIgG4RDのstudyです。steroid sparing agentは何がいいんですかね。リツキシマブは確かに効果がありますが費用や副作用を考えるとバランスは微妙な気もします。nが少ないですがリツキシマブの投与方法が違っても効果が変わりないことは印象的でした。

 

 

IgG4RDにおけるリツキシマブの長期的効果・安全性
目的:IgG4RDでのリツキシマブの寛解導入・維持療法の効果を明らかにする
方法:IgG4RDで1回以上RTXを投与された患者を多施設・後方視的に集計した。臨床的・生物学的・放射線的反応、再発率・薬剤抵抗性を解析。カプランマイヤー曲線・再発リスクをCox回帰モデルを用いて解析した。
結果:フランスで156人のIgG4RD患者のうち33人がRTXで治療されていた。29/31(93.5%)で臨床的改善が見られた。グルココルチコイド離脱は17人(51.5%)で達成した。観察期間は24.8±21ヶ月で、治療反応があった13/31がRTX投与後19±11ヶ月後に再発した。RTX投与前のIgG4RD responder index>9で定義される高活動性の場合に再発と相関していた(HR=3.68, 95%CI 1.1-12.6, P=0.04)。定期的なRTXの寛解維持療法(再発前のRTX投与)はより長い無再発期間と相関していた(41vs21ヶ月, P=0.02)。8例の重症感染が4人の患者でみられ(12.1/100人年)、低ガンマグロブリン血症(≦5g/l)が3人に見られた。
結論:IgG4RDにおいて寛解導入でも寛解維持療法でもRTXは効果が見られた。ただしB細胞再構築がおこると再燃が見られた。定期的なRTX投与は長い無再発期間と相関しており今後重要な治療方針になると考えられる。感染症の増加やRTXの効果が一時的なことは課題である。
 

Long-term efficacy and safety of rituximab in IgG4-related disease Data from a French nationwide study of thirty-three patients

PMID: 28915275