東京都のマッチングと専門医シーリング
特にエビデンスの無い一勤務医の雑感です。
新専門医制度に移行してから初期・後期ともに東京都の人気が高まっているようです。東京都というよりも都心からのアクセスが良い範囲、という表現が正しいかもしれません。シーリングの関係でマイナー科志望や進路を決めていない場合は「出身大学のある地方で初期研修して後期から実家のある首都圏」のようなパターンが取りにくくなってきています。
埼玉や千葉の僻地は逆に基幹病院が少ないので更に人集めに苦労していると聞きました。基幹病院の人気はあまり変わりないですが、これまで見向きもされなかった病院も都内というだけで研修医が集まるようになっています。私の周りでもかなりそれを感じています。数年前まで定員割れが続き国試多浪や人格に問題がある研修医しか集まらなかった病院にやる気がある真面目な方たちが増えてきました。
働き始めると後期研修先の決め方はなんとなくわかってきますが、学生のころは病院選びの基準がわからず悩んでいた記憶があります。
体軸関節型脊椎関節炎でTNF阻害薬の切り替えは有効か?
EULARの若手医師向けコンテンツemmunetから興味がある論文を選んで読んでみます
このemmunetってあまり日本では知られてないのかもしれませんがpodcastがあったりJournal Clubあったり便利なんですよね。今日アブストラクトに目を通したのはこちらです。経験は多くないですがTNF阻害薬をスイッチすることたまにありますよね。その時にスイッチに至った理由によって効果に違いが見られるか調べたものです。
Effectiveness of switching between TNF inhibitors in patients with axial spondyloarthritis: is the reason to switch relevant?
体軸関節型脊椎関節炎でTNF阻害薬の切り替えは有効か?
脊椎関節炎の関節外症状
炎症性腰痛の2009年診断基準
- 腰痛の発症が40歳以下
- 発症が緩徐
- 運動で軽快する
- 安静で軽快しない
- 夜間痛(起き上がると軽快)
生物学的製剤投与時の注意 日本リウマチ学会ガイドラインなど
日本リウマチ学会ガイドラインなど参考にしました
-
感染症予防と早期治療に備える
-
TNF阻害薬は抗炎症作用と炎症が持続しても骨びらんを抑える作用がある
-
RAの場合インフリキシマブはMTXと併用が必須
-
エタネルセプトやアダリムマブはMTXと併用の必要がない
-
TNF阻害薬は疾患活動性のコントロールが十分につかない場合でも骨びらん抑制作用がある
-
末梢血白血球数 4000/mm2以上
-
末梢血リンパ球数 1000/mm2以上
-
βDグルカン陰性
|
TNF阻害薬
|
IL-6阻害薬
|
アバタセプト
|
投与禁忌
|
活動性結核
NYHAⅢ度以上のうっ血性心不全
|
活動性結核
|
活動性結核
|
慎重投与
|
レントゲンで陳旧性肺結核疑い
QFT/T-SPOT陽性
結核の既往
NYHAⅡ度以下のうっ血性心不全
悪性腫瘍の既往、前癌病変
|
レントゲンで陳旧性肺結核疑い
QFT/T-SPOT陽性
結核の既往
悪性腫瘍の既往、前癌病変
|
レントゲンで陳旧性肺結核疑い
QFT/T-SPOT陽性
結核の既往
悪性腫瘍の既往、前癌病変
|
-
一般採血, IgG, KL-6, βDグルカン
-
結核スクリーニング:胸部レントゲン, QFT/T-SPOT/ツ反,
-
投与中は禁忌
-
投与は中止後3~6ヶ月間隔をあける
シュニッツラー症候群
-
世界で300例程度しかない稀な疾患
-
やや男性に多い
-
平均発症年齢は50歳程度
-
家族歴や遺伝子異常はない
-
慢性じんま疹、そう痒感は無いことが多い
-
発熱、骨髄炎、関節炎を合併する
-
少数でリンパ節腫脹や肝脾腫を伴う
-
IgM-κ型を主体するM蛋白血症を伴う
-
慢性蕁麻疹
-
間歇的発熱
-
骨髄炎,骨異常
-
真皮内好中球浸潤(皮膚生検)
-
白血球や CRP の上昇
-
If IgM,必須項目 2 つと補助項目 2 つ.
-
If IgG,必須項目 2 つと補助項目 3 つ
-
NSAIDs,コルヒチン,抗ヒスタミン薬等の薬剤が使用されることがあるが,多くの症例で効果は部分的である.
-
骨痛に対してビスフォスフォネートが使用されること がある.
-
最も効果が期待できる薬剤 は,アナキンラやカナキヌマブ等IL-1 の働きを 阻害する生物学的製剤で,投与24時間以内にそ の効果が認められ,最終的には寛解に至る.
-
TCZの有効性も主張されてる。